概要
今週の米国金融市場は、先週同様にFRBの金融政策と新型コロナ変異種オミクロン株がテーマとなりました。
火曜~水曜日にFOMC(連邦公開市場委員会)が開かれ、結果は水曜日に発表され、米国経済の急速な改善で資産買入れは不要となり量的緩和の早期終了が適切で、資産買入れは加速して3月終了、更に来年は年末までに0.25%ずつ3回の利上げを実施する方針が示されました。
FOMCの結果は金融緩和の縮小加速ではあるものの、市場の予想通りであり、パウエルFRB議長の説明も好評で、この日の米国株は大幅上昇となりました。
しかし、英国中銀の予想外の利上げやECB(欧州中央銀行)の緩和縮小方針で世界的に金融環境が変化している事への警戒や、オミクロン株の蔓延が拡大していることから新型コロナ懸念が再燃しており、水曜日以外のすべての日で主要3指数は下落となり、前週末比でも大きく下落しました。
木曜日には、金融環境の変化を警戒し、成長株が売られナスダックが大幅安となり、金曜日には、ファイザーが新型コロナ蔓延が2024年まで続く可能性を示したり、英国ICLがオミクロン株の再感染リスクがデルタ株の5倍と発表するなどして、新型コロナ懸念が高まり、割安株が売られてダウが大幅安となりました。
米国債利回りは、上がっては下がるの繰り返しですが、前週末比で利回りは下落しました。2年債利回りは上昇しているものの、10年債利回りは軟調が続いています。
このような状況下で、日本株は相対的割安感から、下値では買われる動きが続き、前週末比で小幅上昇です。
原油は、経済回復による需要増の基調ですが、オミクロン株による需要減懸念で売られる局面もあり、上下に動くものの前週末比では小幅下落です。
ゴールドは、インフレ懸念での買いと利上げ懸念での売りで上下に動くものの、前週末比では小幅上昇です。
外国為替市場では、FRBの緩和縮小から利上げが予想される中、総じてドル高となっています。
外国為替
2021年12月17日(右は前週末比)
ドル円 113.70 +0.31 +0.27%
ドルIDX 96.65 +0.59 +0.61%
ユーロ円 127.76 -0.57 -0.44%
ユーロドル 1.1236 -0.0079 -0.70%
ドル人民元 6.3748 +0.0063 +0.10%
日本株
2021年12月17日(右は前週末比)
日経平均株価 28,545.68 +107.91 +0.38%
東証株価指数 1,984.47 +8.99 +0.46%
米国株
2021年12月17日(右は前週末比)
S&P500 4,620.64 -91.38 -1.94%
Dow30 35,365.44 -605.55 -1.68%
Nasdaq 15,169.68 -460.92 -2.95%
中国株
2021年12月17日(右は前週末比)
上海総合指数 3,632.36 -33.99 -0.93%
原油・ゴールド
2021年12月17日(右は前週末比)
原油WTI先物1月限 70.86 -0.81 -1.13%
ゴールドスポット価格 1,798 +15 +0.84%
日本国債
2021年12月17日
債券先物 10年物 152.11 前週末 151.93
国債(償還日 利回り 前週末利回り)
431回 2年利付国債 2023-12-01 -0.115% 前週末 -0.110%
149回 5年利付国債 2026-09-20 -0.100% 前週末 -0.090%
364回 10年利付国債 2031-09-20 0.045% 前週末 0.050%
米国債
2021年12月17日
13週債利回り 0.030% 前週末 0.050%
5年債利回り 1.177% 前週末 1.252%
10年債利回り 1.402% 前週末 1.489%
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